クラスをまとめるシートでは、学級において対人面で配慮を必要とする生徒を視覚的に捉えながら、個々の生徒のつきあい方をもとに、集団の傾向やまとまりの程度をつかむことができます。また、社会的スキルの習得状況と合わせて、さらにレベルアップが必要なスキルを明らかにし、学級での集団活動に取り入れることができます。
シート右上の「クラス運営のポイント」では、3つの観点(※1)から総合的に分析した上で、結局なにを優先して運営すればよいのか、そのポイントをまとめて絞り込んでいます。
こちらの分布図は、自己肯定感と他者信頼感を軸にして、個々の生徒がもつ人間関係に対する心の態度の分布を表したものです。人づきあいの面から、クラスのまとまり具合をつかんだり、フォローエリア(グラフのグレー部分)に入る生徒に対して、対人面での配慮や支援ができます。
例①
例①のような右上がりの分布が一般的によく見られる傾向になります。ただし、分布の幅が広くなるほど、学級での関わりからついて行きにくいグループが生じやすいため、学級に取り込む働きかけが必要です。
例②
例②のように、グラフの下半分に分布が集まっていると、自己肯定感が低い傾向が見られます。実際以上に自信をもてない生徒が多く、学級としての盛り上がりが今一歩となりやすいため、なるべく受容的に接し、自信を持たせていく指導や動機づけの工夫が大切です。
例③
例③のように、グラフの左半分に分布が集まっていると、他者信頼感が低い傾向が見られます。自分本位な言動や集団から逸脱する行動に繋がる場合があるため、ルールの徹底と同時に、充足感を得られる場面をつくって、学級の中で協力する体験ができるように援助すると良いでしょう。
例④
例④のように、フォローエリア(グレーの部分)に入っている生徒は、自己肯定感、他者信頼感共に低く、人づきあいのために必要な「心の基盤」が養われていない可能性があります。集団から孤立したり、自ら他人との交流を避けて過ごしやすい傾向があるため、よく表情を観察し、節目節目において人間関係づくりに必要な支援をすることが望まれます。
(※1)「人づきあいの構え分布」「性格タイプ」「社会的スキルの習得度」から、クラスの様子や運営のポイントをまとめています。
マッチングシートでは担任の先生に自己診断をして頂き、ご自身のリーダーシップのタイプ(※2)と検査から見られるクラスの集団傾向を照らし合わせて、普段のクラス運営をふり返るきっかけにすることができます。
※結果がお手元に届いてから、お時間があるときにご実施頂くものです
リーダーシップのタイプ
A. 感情・現実・本音
理屈よりも、今までの経験から現実的に判断し、生徒とは感情を交えた交流が得意で、ざっくばらんに本音で話す傾向があります。
B. 理論・理想・建前
物事を客観的にとらえて冷静に判断し、生徒には理論的に説明してわからせようとする方で、建前や理想を大切にする傾向があります。
C. 受容・交流・個性的
生徒一人ひとりの個性を大切にする方で、生徒の気持ちを共感的に読みとり、聞き役に回りながら、受容的に接していく傾向があります。
D. 徹底・秩序・画一的
個人よりも、集団の秩序を重んじ、物事の良し悪しをはっきりさせて、どの生徒にも確実にルールを守るよう徹底させる傾向があります。
(※2)先生のリーダーシップの有無を見るものではありません。自分自身のタイプの強み弱みを知ることで、より効果的なクラス運営につなげるためのものです。