SKK式適性検査は、作業検査法のひとつであるクレペリン検査を、長年の膨大なデータと詳細な臨床により応用・発展させた検査で、半世紀以上にわたり多数の学校、企業、官公庁等に採用され、受検者は設立以来1,500万人を超えています。より高い信頼性を求め、臨床データによる検証、解析技術の進化を日々かさねています。
「SKK式適性検査」で採用している「作業」は連続加算です。 具体的な作業としては、下図のように1桁の数字が並んだ用紙の、隣り合う数字を足し算して、その答えの一の位を記入していくというものです。進め方は「はい、次」という合図にしたがって、1分間の足し算を前半15回、5分の休憩をはさんで後半も15回行ないます。数字の加算さえできれば、この検査は実施できますので、国籍や年齢を問わず(足し算に慣れた小学校中学年以上であれば)、幅広い層で受検が可能です。
この検査は足し算の出来・不出来をみるものではなく、足し算という作業を通じて、一定の負荷(擬似ストレス)が与えられたときに、どういった反応ぶりをする人なのかをみています。その反応ぶりは、本人の意志によって変えられるものではなく、そこにその人の本質を見出そうとするものです。そして、この受検者の意志や願望に左右されないという点が、まさに作業検査法の最大の強みでもあるのです。
SKK式適性検査は、人を機械的に適・不適と振り分ける検査ではありません。人を見つめ続け、膨大なデータを集積した結果、適性や育成方法など多岐にわたる解析内容を把握できる独自の検査として確立されたものです。
「知っている」ことと「できる」ことは違います。知識の保有量や頭の良し悪しではなく、実際に行動する上での基礎となる「人間力」を把握する検査です。この「人間力」が、もてる能力を発揮するための基盤となります。
今後、「社会人力」や「組織人力」を無理なく積み上げていく上で、土台となる「人間力」がしっかりした安定感のあるモデル。SKK式適性検査は、この「人間力」をみる検査です。
土台の「人間力」が乏しく、安定感に欠けるモデルです。たとえ知識や技術が豊富でも、情緒の安定性やストレス耐性が乏しいため、この状態では組織・集団の中で、もてる能力を十分に発揮できない可能性が高くなります。
いつのまにか可能性を限定して考えていませんか?人間は多様性と可能性を秘めた存在です。潜在能力を引き出し、その人らしさを100%発揮することにより、本人にも周囲にも有効な検査となることを目指しています。
図は『ジョハリの窓』と呼ばれ、誰にでもある4つの窓を表しています。自他ともに知っている、開かれた自分(窓)、自分が気づかない自分(窓)、隠している自分(窓)、そして未知の自分(窓)です。面接ではおもに「1」と「2」の部分が明らかになります。質問紙法は自己申告ですから、「1」と「3」の部分が解析対象になります。それに対して作業検査法であるSKK式適性検査は「2」「3」「4」の窓を開こうとするものです。その人の本質にせまることにより、未知の窓を開け宝の原石、つまり潜在能力に気づかせることが可能になるのです。
励ましで力を得る人もいれば、逆にプレッシャーになる人もいます。どのような対応が適しているかは、本質を把握しなければわかりません。SKK式適性検査は、その人の本質を把握し、適所を見出し、最適な対応をすることにより、能力を発揮させるための検査です。
行動ぶり(水面上)は同じに見えても、本質(水面下)が異なれば対応も変わります。たとえば、同じ腹痛という症状であっても、食べすぎからくるものと、ストレスからくるものでは処方箋が異なります。もちろん、痛み止めを渡したところで解決にはなりません。不登校や出社拒否といった行動ぶりだけを見ていると、往々にして現象のみに振り回された「ヤブ医者」的な対応をしがちです。しかし、原因を正しく把握できれば、対処の仕方もおのずと明らかになるのです。 本検査は本質を解明することにより、誤った対応を回避するための検査でもあります。
筆跡・筆圧から誤答、訂正の仕方まで、検査用紙上に含まれるすべての情報から「人となり」にせまるため、エスケイケイでは1枚1枚熟練した専門家の目で解析しています。コンピュータでは読み取れないものを、丹念に見ています。
適性検査の多くはコンピュータ診断となっており、解析処理が効率的に行われています。従来のクレペリン検査も、1分ごとの作業量の変化から上記のような因子を抽出し、コンピュータで解析しています。
これに対しSKK式適性検査は、筆跡・筆圧や誤答の出現パターン、訂正の仕方など、さまざまな要素も含め、総合的に解析するため、コンピュータによる解析ができません。昨今、増加傾向にある作業の意図的操作を判別できるのも、人の目にこだわる理由のひとつです。検査用紙上にはデジタルでは測りきれない情報が詰まっており、あえてアナログ的な手作業を大切にしています。
SKK式適性検査では、「心の状態」と「持ち味」の2つの要素を測定しています。「持ち味」つまり性格に良し悪しはありませんが、「心の状態」によって、人の行動ぶりは左右されると考えています。この「心の状態」こそ、個性伸張や能力発揮のカギとなるものです。
「心の状態」をフィルターにたとえたものが上図です。 【図1】のように心の状態が望ましい場合、つまりフィルターが澄んでいれば、持ち味は刺激をまっすぐに受け止め、素直に反応します。 しかし【図2】のようにフィルターが曇っていると、刺激を歪曲して受け止め、反応もひねくれたものになってしまいます。持ち味は同じでも、「フィルター」つまり「心の状態」によって、反応は大きく異なってしまうのです。
どの「持ち味」でも「心の状態」が望ましければ、その持ち味は長所的に発揮されます。SKK式適性検査では、上図のように「心的エネルギーの強弱」と「心的テンポの遅速」を基本の2軸として、持ち味を16の方向(類型)に分けています。
上図では、2軸に分けられた4つの領域について簡単に特徴を解説しています。
これらの持ち味の特徴は「心の状態」によって、ときに長所的に、ときに短所的に行動ぶりに反映されます。
SKK式適性検査は、能力発揮の土台となる「人間力」をみる検査として、業界・業種を問わず、人財の選抜・育成など幅広い場面で活用されており、国内で延べ1,500万人以上、海外では韓国、中国をはじめ延べ50万人以上が受検しています。ご利用先は、全国の官公庁(人事委員会、教育委員会、各自治体、警察)のほか、上場企業をはじめとする企業など約3,000団体以上です。さらに、小・中学校、高等学校から専門学校・短大・大学などでは、児童・生徒の健やかな心の成長のために、教育を支援する目的で活用されています。
SKK式適性検査の最大の特長は、解析がコンピュータではなく、人の「目」で行われるという点です。コンピュータによる解析は、主観に左右されず基準にブレがない点では優れていますが、数値になじまない人の微妙な心の動きを読み取ることにかけては、人間には及びません。そのため、エスケイケイでは解析をコンピュータ任せにせず、熟練した専門家である解析者が、責任をもって一枚一枚解析しています。
さらに毎年2,000人以上の受検者との直接面談や、40,000人以上の聞き取りを行うことによって、解析内容との整合性を常に検証しています。これらの検証内容や「生きた臨床データ」は、解析技術や結果報告書の内容進化へとつながっています。
私たちは、解析に「セカンドオピニオン」というシステムを取り入れています。主観やブレをできるだけ排除し、常に公正で精度の高い解析を実現するために、複数名の解析者が互いをチェックしあうというものです。正しく、あるがまま人の本質をとらえることができるよう、解析者たちは日々研修にて技術を磨いています。こういった小さな努力の積み重ねが、半世紀を超えて続くエスケイケイの大きな財産です。
社会人向けSKK式適性検査は、パートナー企業である株式会社日本能率協会マネジメントセンターと販売提携しており、「V-CAT」として提供されています。
クレペリン検査をさらに進化させ、児童・生徒(小学生、中学生、高校生)向けに作業負荷の程度を変えたバリエーションを持つ検査です。子どもたちの表面的な行動ぶりだけでなく、内面理解を通して一人ひとりの個性に合わせた対応を可能にするツールとして、多くの学校で活用されています。見やすく活用しやすい結果表や、充実したアフターケアを提供しています。
就職を希望する学生(大学生・高校生)を対象に、実際の働きぶりを検証できる作業検査を通して、模擬的に適性検査を受検することができます。結果表から客観的なデータをもとに自己理解を深め、自己PRづくりや適性を活かした職種への検討材料となります。就職支援の側からは、本人の適性に合ったアドバイスや、就職活動に悩んだ時の具体的な援助を考えるヒントになります。